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青森市で活動する劇団エゴイストの代表高橋康子と、時々その仲間たちが綴るよもやま話。


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毛皮のマリーに行ってきました 2

パルコ劇場のお化粧室の壁紙は偏光パールなんだなと知れただけでもきてよかったな、とまったく変なところに感心しつつ、第二幕。

マリーと水夫のシーン。
美輪さんと木村さんの場面です。
マリーのドレスから漂ってくるのでしょうか、馥郁とした花の香り。たくさんの薔薇と、やさしい紅茶のようなお香のような、とても繊細で、切なくなってしまうような香りが。ベージュの薄物が幾重にも重なって、花で飾られて、歩くたびに衣擦れの音。今回の衣装の中で私が一番好きなのはこのシーンのドレスかも。ベージュなのにとても華やかでした。
マリーと水夫のシーンは、とてもロマンチック。バスタブの中で睦みあっているときも。
鶏姦詩人のお二人も素晴らしい美声で、朗々とした語りでした。
マリーの身の上話。
前から二列目で赤いフットスポットに照らされる美輪さんを見られる幸せ。
美輪さんのモノローグは、ほんとに、何度観ても、何度観ても素晴らしいです。引き込まれすぎてあっという間に「かつこ」のシーン終わりました。
そして、去りかけた水夫さんがマリーの下へ戻ってきて、ほんとうの恋人に。
「戻ってきたのはあんただけよ」
マリーの過去を受け入れてやさしく包み込む木村さんの演技がとても大きな愛を感じさせて素敵でした。
そして欣也と紋白。
美しい部屋の外側には、見世物小屋ののぼり、古めかしいいろいろなもの、そしてきのこ雲。
部屋の外の世界は美しいのかそれとも醜いのか。
流れる津軽三味線。
母を捨てる欣也。
床に打ち捨てられた鯉のぼり。女の子になるための雛人形ではなく男の子のための鯉のぼりであるところが悲しい。

欣也、帰ってらっしゃい。

傷ついて、ぼろぼろに鳴って帰ってくる少年。
不良たちを日本刀で切りつけ、身体をはって息子を守ります。
そしてかつて自分が味わった苦労を、息子にもさせようとしている、と自分を責めるマリー。
時は夕暮れか、いつか幼い頃聞いたであろうカラスの鳴き声。
明日はいつも鬼ばかり、と両手で顔を隠してしゃがみこむ。

ああ、
田園に死すのオープニングの子供は、かつてのマリーさんだったのかな。

欣也もマリーに声をかけ、同じポーズで並ぶ。

かくれんぼ 鬼のままにて老いたれば 誰を探しにくる村祭り

私たちみんな 老いてしまったものはかくれんぼの鬼なのかな
とすれば 明日くる鬼とは 自分自身のことなのかな

どこまでも続く静寂の中、終幕。

そしてカーテンコール。
美女の亡霊、
次々に現れる寺山世界の住人達。
女相撲とり
少年修司と和服のはつ、
犬神サーカス団とおぼしき人々、
出演者の皆さん。
白い衣装を纏った美輪さんと勧修寺さんが中央から現れ、神々しい雰囲気に。
青森らしい空気の本編からの、カーテンコールは長崎か、あるいは天上の世界か。

そんな二時間でした。

エログロアングラというよりは、それはとっくの昔に飲み込んで、極上のエレガンスで何もかもをくるんで、深い愛情がどこまでも放出されているような、そんなお芝居でした。

パルコ劇場が建て替えになるということを、実はチケット取った後で知りまして、最初で最後の思い出がこの毛皮のマリーだなんて、これからも、折々に触れて思い出すのだろうな、と思いました。

IMG_5189.jpg

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