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青森市で活動する劇団エゴイストの代表高橋康子と、時々その仲間たちが綴るよもやま話。


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劇団どくんご今年のツアー終了!

劇団どくんご「Vital Sign ~ただちに犬」2011全国ツアーが、11月22日の鹿児島公演をもって無事終了いたしました!
今年の舞台の私の感想をまだ書いていなかったので、終わってしまった今ではございますが、先ほど書き上げましたので、アップしたいと思います。
どくんごの皆さん、各地の関係者の皆さん、お疲れ様でした。
支えてくださった全国の皆様、今後とも劇団どくんごをよろしくお願いいたします!
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Vital Sign ~ただちに犬 感想 高橋康子

 自分が作・演出を担当しない芝居の受け入れや制作をする上での大きな不安は
「出来のわからない芝居のチケットを売らなければならない」こと。それも大量に。
 観たことのないもの、本番にならないと観られないもの、もしかしたら自分は本番さえ観ることが出来ず、どんな芝居なのか見届けられない可能性すらある。それを
「絶対面白いから!是非観て!」
と、たくさんの人に何ヶ月もアプローチしつづけて受け入れ担当者の日々は続いていく。
 芝居を作るものとそれを受け入れるものとの愛と信頼がなければ、何年も続けられる作業ではない。
 劇団どくんごは、全国各地のたくさんの受け入れボランティアたちに支えられ、テント劇場での旅まわり芝居を続けている。
 そんな中、6月の東京公演で「80年代的」と評されたどくんご。
 果たして今年の芝居は?と客席ですこしばかり緊張しつつ8月の青森公演を迎えた。

 はじめは「ささやく探偵」。つぶやく探偵とも言う。今流行ってるから。
 さん、はい。
 の掛け声でまたしても舞台は一瞬で異空間に。
 レースのカーテンの向こう。照明に照らし出された役者達のシルエット。表情はほとんど見えない。ささやく台詞も、ほぼわからない。あるのは役者の肉体、気配、空気。
 私はそこに、「現代」「いま」を感じた。
 今、この劇場で同じ空気を共有しなければ、決してこの面白さはわからない。
 演劇をはじめ、ダンス、音楽…およそ舞台表現というものはそういうものだが、どくんごの場合はその部分が傑出している。
 「空と言ったら青」「青といったらクレヨン」「クレヨンといったら画用紙…」
というように、「○○と言ったら××」と各自がリレーしていくシーンが続く。
 おそらくはアドリブで、各公演ごとに毎日違ったキーワードが出てくるのだろう。
 今回のバイタルサインは、全体を通してこのように、
「当日になってみなければ何が出てくるかわからない」
というようなシーンが多かったように見受けられる。
 そのせいか、
「舞台上の役者がいい意味で並列になっていて、突出したスター役者というべき存在がいない替わりに、まったく輝いていないという役者もいない。みんながそれぞれ脇であり、主役であり、みんなで舞台を支えている」
という印象を強く受けた。また、
「本番が、最大の稽古になっている」
ということも感じた。もちろん彼らは稽古も一生懸命するだろうが、観客の目にさらされ、反応が良かったり薄かったり、動員が多かったり少なかったり、日々さまざまに変化する環境の中で「いい演技」をし続けるためには、常に自分自身が新鮮さを保ち、変化に対応し、なおかつ大事な部分は変わらない。そんな姿勢が問われるのではないかと思った。
 
 海で何かが起こったのであろう冒頭の歌、何かが少し壊れたような「ふるさと」のあとの空葉さんのソロシーン、まほさんの「さよならニッポン」の絶叫、そして、何か白くて大きな形のない得体の知れないものが押し寄せてきて、気が付くと観客さえも巻き込まれて逃げることも出来ずに終わるというラストシーンなど、いわゆる「2011年3月以降」に観るととても思うところ大きなシーンが続出したが、悲しげでありながらも、「さあ私たちはあの地震を忘れないようにしようね」「東北はみんなで復興しようよね」などという押し付けがましさなど微塵もなく、舞台を観ていて癒されるような部分があった。

 また、今回は役者それぞれが美しかった。全体に衣装も華やかだったし、メイクもひところに比べるとずいぶん整理されてきたと思う。健太さんの女形が大変色っぽかったのも大きい。いわゆる「オカマの人を馬鹿にしたような」演技ではなく、華やかでありながら透明感のある、作りこまれつつさらりとした表現が非常に舞台に華やぎを与えていたと思う。
 五月さんの人魚姫は、おそらく全国各地から「また見たい」の声がたくさん寄せられての復活ではなかろうかと思うが、思えば、どくんごの舞台でいわゆる「ストーリーのある一人芝居」をやる。というのは非常に新鮮だし、役者本人にとっては逆に斬新な試みなのかもしれない。記録映像を見直してみると、裸舞台にひとりきりの五月さんは舞台の「余白」の使い方が非常にうまい。自分が立っていない空間をどう「使う」か。背景の闇が夜の海に見えた。
 「ただちに犬」シリーズはどうやら今年で終了との事で、また来期からは何が出てくるかわからない、何が飛び出すかわからない状態になるようですが、長野の学校で演じられた「ただちに犬」(いわゆる無印版)からこの「Vital Sign ~ただちに犬」まで、よくぞここまで舞台を練り上げ、こなれたものにし、成熟させてくれたと、彼らに改めて敬意を表したい。

 半年に及んだVital Sign ツアーは11月22日の鹿児島公演をもって無事千秋楽を迎えました。心配された石巻、郡山でも公演が実現し、毎年の不安の種である台風もすんでのところでそれ(焼津公演のあたりはあと一日ずれていたらかなり大変だったと推察すします)、無事にラストまで走りきることが出来、ほっとしています。
 とにかく健康第一で、片付けるもの片付けて、休めるとき休んで、お風呂に入れるときに入って、いい意味で「ただちに犬」のことなど忘れ去ってしまって、各自、次に向かって進んで欲しいと思います。

 まだまだお片づけは続くと思いますが、まずは今年のツアー無事終了、おめでとうございます。ほんとうにお疲れ様でした!

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五月

丁寧な感想、感謝いたします。来年も母に喜んで頂けるよう稽古と工夫を重ねまする。

2011/11/25(金) 19:23:00 |URL | [ 編集]

康子

いえいえ、これくらいしかできることもありませんので。
来年も素敵な舞台を期待しております!

2011/11/28(月) 18:01:08 |URL | [ 編集]

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