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青森市で活動する劇団エゴイストの代表高橋康子と、時々その仲間たちが綴るよもやま話。


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舞台の感想 by 更紗

アラビアンナイトに出ていた赤い人、こと、更紗さんから舞台の感想文が届きましたよ。
更紗は1月のエゴイスト小公演「月蝕」に引き続いてのエゴイスト。この半年で舞台での存在感も格段に増し、みるみる成長してくれました。今後が楽しみです。
ではそんな更紗さんの感想をどうぞ。

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一人の時に俯いて歩く癖があるので、その時も私は俯いて歩いていた。聞いていた場所に近付いて、顔を上げたら、本当にテントが立っている。
話に聞いて想像していたよりも何だかすごい。私が思い描いてた移動式サーカスのようなテント。
きっとテントを見てた私は、間抜けな顔をしてたと思う。テントの中を見せてもらって、楽屋を見せてもらって…全てが物珍しくて、きょろきょろ周りを見回して。
ここで、この舞台に立つのか、とか、こんな不思議な舞台に立てるなんて滅多にある事じゃないぞ…とか考えてたら、ワクワクと言うかムズムズと言うか、よくわからない気持ちが湧いてきた。

日が落ち、辺りが薄暗くなるに従って、洩れる明かりでテントが怪しさを増す。ミラーボールも、暖簾のような銀色の飾りも、中央の柱も、客席も、全てが怪しい。赤く塗られた自分の指先さえも。

舞台に上がると、客席が近い。これなら、『お客様一人一人を見る』と言う自分の目標は達成出来そうだ。と、思ったけれど、前列のお客様を見つめるには視線は下がり過ぎてしまうし、後列のお客様はどこに誰がいると言うのはわかるものの、視力の悪さのせいでどんな表情なのかまでは読み取れなかった。なかなか目を見ると言うのは難しい。

台詞をちょっと噛んだり、ダンスでみんなとズレたり、スカートを踏んだり、口の中が渇いて舌打ちが出来なかったり…細かく上げるともっと沢山反省点はあるけれど、あの舞台に立てて楽しかったし、笑ってくれるお客様もいたし、本当に良い経験が出来たと思う。



翌日、役者としてではなく観客としてテントに行くと、昨日と同じ場所にあるテントなのに雰囲気がまるで違う。舞台に蚊帳のようなモノが吊り下げられて、その上には赤いモノや銀色のモノが沢山吊られているし、万国旗もあった。色鮮やかでキラキラしてる。
やっぱりサーカスだ。
何故かそう納得した私の頭の中で、勝手に物語が進んで行った。

けれど演奏から始まった舞台はどんどん加速して、頭の中の物語なんか容易く飛び越えて、それでも止まらない。
こんな表現方法、私は知らない。何だコレ。すごいスゴい凄い!!何て言ったら今の気持ちが伝わるのか、どんな言葉で形容したら良いのか、そもそも言葉なんかで事足りるのか、ちっともわからない。
もういっその事、海まで走って行って叫んでしまいたいくらい。
まるで目の前でパチパチ火花が弾けるみたいで圧倒されてしまった。
キラキラチカチカしてるのを忘れたくなくて、何度も夢中でシャッターを押した(舞台から目を離さないで撮ったから、後で確認したらとんでもない事になってたけど)

漠然と『ついて行きたい』なんて考えが浮かんで、もしかしたらハーメルンの笛吹について行った子供達も、こんな気持ちだったんじゃないかと思った。
いつまでも観ていたくて、終わってしまうのが寂しくて。

あっという間に二時間ちょっとが過ぎたあと、私の中の子供がまだまだ観ていたい、もっとここにいたいと駄々をこねて、心臓をガンガン叩いていたけど、私だって出来る事ならそうしたかったけど、大人振って私はテントを後にした。

思い返しても、舞台を目の前にしたあの時の気持ちを的確に表現出来る言葉を、今の私は持っていないらしい。

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